人気ブログランキング | 話題のタグを見る

美しい日本、その自覚

アグリジェントより車で1時間弱。
ダヴィデとシモーナに付き添われてリカータへ。
二つ星リストランテLa Madiaにて2週間の研修の予定だ。

ジュリアに紹介してもらいこのリストランテと繋がった訳だが
到着早々のシェフの印象は悪かった。

もちろん、研修をさせてもらう身なのだから何を言える訳でもないのだが
適当にあしらわれているというか、何というか。
仕方なく受け入れてやってるんだぞといった雰囲気。

と、いうのも後々シェフと話をしていて判明したことなのだが
僕に関しての情報が全くなく
どんな人間かも確かではない。
そして日本人だということすら知らなかったらしい。


これは差別や思い上がりなどではなく、
日本人は他の国のコックと比べても何処のキッチンでも重宝される。
器用で勤勉で真面目だから。
ジュリアからシェフにはシンガポールのレストランのシェフと伝わっていたらしく、
僕が他の日本人コックと日本語で話をしていて、ああ君は日本人か、なんてビックリされたくらい。
それもあってか態度も変わり、色々な話と今後の進路に関してもアドバイスをしてくれた。

日本人=仕事ができるという定説はイタリア、フランスでは
特にレストランのレベルが上がるほど常識になる。
これは、何百人、何千人という
この地を踏んだ先輩方のお陰であり
日本人という'ブランド'の名を汚さないためにも
僕たち後輩は一層頑張らなければならない、と常々思う。
美しい日本、その自覚_a0230922_16225111.jpg
僕の経験からいって
海外に出るということは
自らの出身地の名誉(大きくいえばアジア、そして日本になり、日本人の多い環境であれば都道府県にすらなる)
を背負っているということであると思う。

だから、
留学、ホームステイ、勤労、旅行と
目的は何にしても海外を訪れるからには
日本人であるという自覚を持ってその時間を過ごすべきだと思う。

礼儀正しく、美しい文化と歴史を持ち、センスのよい日本人。

僕たちが自覚する以上に
外国の人たちはそう思っているのだから。

2011年10月29日
リカータより
by kentaro_torii | 2011-10-29 23:59 | イタリアより


<< シチリアより 結婚するあなたへ シチリア時間 >>